時間:2025年2月23日
高級品業界が低迷した2024年、仏エルメスは15%増収
高級品市場が低迷する中、仏高級ブランド「エルメス」は好調を維持し、2024年の売上高は前年比15%増の151億7000万ユーロ(約2兆4000億円)に達した。同社の第2、第3四半期の売上高はそれぞれ前年同期比13%増、11%増と成長に陰りが見えたが、第4四半期は同18%増となる39億6200万ユーロ(約6300億円)を売り上げた。
高級品市場で最大規模を誇る仏LVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンでさえ、2024年の売上高は前年比2%減少し、市場2番手の仏ケリングも同12%減を記録するなど、昨年は同業界にとって厳しい1年となった。昨年増収した高級ブランドは全体の3分の1程度と、高級品市場は2%縮小した。利益や拡大を追求するあまり、高級路線から逸脱しつつある他の高級ブランドとは異なり、エルメスは創造性、芸術性、職人技術を最優先し、同業他社を大きく引き離している。
エルメスのアクセル・デュマ会長は2024年の決算発表で、「経済や地政学的情勢の不確実性が増す中でこのような堅調な業績を上げたことは、エルメスのビジネスモデルの強さと社員の機敏性を証明するものであり、心から感謝する」とあいさつした。この感謝を具体的な形にするため、同社は約2万5000人に上る全従業員に対し、22年と23年に支給した4000ユーロ(約63万円)のボーナスを上回る、4500ユーロ(約71万円)を年末に支給したと明らかにした。デュマ会長は「成長の果実を日々貢献してくれる従業員と分かち合う」責任ある雇用主であることを約束するとともに、投資家に対しては「品質、創造性、サヴォアフェールという基本的価値」、つまり独自のノウハウを守り続けると表明した。
エルメスにとって最大の市場はアジア
エルメスは2024年、進出しているすべての地域で売り上げが拡大した。米戦略コンサルティング企業ベイン&カンパニーによると、中国の高級品市場の落ち込みに引っ張られたアジアでも、エルメスは前年比23%の伸びを記録した日本を筆頭に、全体で前年比10%増となる約80億8500万ユーロ(約1兆2800億円)を売り上げた。アジアはエルメスにとって最大の市場で、世界全体の販売の半分以上を占める。
デュマ会長は、昨年は中国を含むすべてのアジア諸国で売り上げが伸びたと説明。中国の2025年の見通しを予測することは「複雑だ」としながらも、「全体としては明るい兆しがいくつかある」と述べた。
同社にとって第2の市場である欧州の売上高は、前年比17%増の約35億9400万ユーロ(約5700億円)だった。フランス国内の売上高は前年比14%増で、同19%増だった他の欧州諸国を下回った。
第3の市場である米州は前年比16%増の28億6500万ユーロ(約4500億円)だった。特に第4四半期には米ニュージャージー州プリンストンの新店舗と、移転した米アトランタ店の開店が功を奏し、前年同期比22%の伸びを示した。これにより、米国の店舗数は41店舗となった。
エルメスは中東やその他の市場にはほとんど進出しておらず、年間売上高の5%にも満たないが、昨年は同地域の売上高が倍増した。デュマ会長は今後、アラブ首長国連邦(UAE)のドバイとアブダビの店舗に重点を置いていく方針を明らかにした。
エルメスの売上高で最大の4分の1弱を占める皮革製品と馬具部門は前年比18%増の64億5700万ユーロ(約1兆200億円)と、全部門の成長をけん引した。次いで、プレタポルテ(既製服)とアクセサリー部門が前年比15%増の44億500万ユーロ(約7000億円)だった。その他の部門には宝飾品や家庭用品などが含まれ、前年比17%増の19億900万ユーロ(約3000億円)だった。絹製品と繊維製品は前年比4%増の9億5000万ユーロ(約1500億円)と比較的振るわなかったが、第4四半期には前年同期比7%増となった。
香水・美容部門は5億3500万ユーロ(約850億円)で、前年比9%増、第4四半期は17%増となった。エルメスは香水のほか、口紅やマニキュアなどの化粧品に多大な投資を続けている。美容の最大部門であるスキンケア製品では「正しい方法、すなわちエルメス流の方法」を模索しているという。
エルメスの製品部門の中で唯一の例外となったのは時計部門で、売上高は前年比4%減の5億770万ユーロ(約914億円)に縮小した。だが、昨年末には米アップルとの10周年記念コラボレーションウオッチを発売しており、2025年は時計部門が躍進する可能性もある。
エルメスは2025年に「収益の拡大に向けた野心的な目標」を設定したが、「経済、地政学、為替相場の不確実性」が高まっていることから、目標の内容については公表しなかった。デュマ会長は「高度に統合された職人技術、バランスの取れた小売システム、コレクションの創造性、そして忠実な顧客のおかげで、当社は自信を持って2025年に乗り出す」と表明。「創造性、ノウハウの維持、並外れたコミュニケーション」に基づく同社の長期戦略を改めて強調した。
米コンサルティング企業ラグジュアリー・インスティテュートの設立者ミルトン・ペドラザ最高経営責任者(CEO)は「高級とは、エルメスが何をするのかではなく、同社が何者であるかということだ」と言う。「真正性とは、エルメスが何をするのかではない。同社が何者であるかということだ。そして当然、創造性とは、エルメスが何をするのかではない。同社が何者であるかということだ」
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